まつどTODAY~松戸市議会議員 みのわ信矢のまちづくりブログ

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松戸市のいじめ対策に疑問

H27年3月議会に、いじめに関する2つの委員会を設置する条例案が、市から提案されました。
しかし、残念ながらこの議案からは、いじめに対する市の逃げ腰の姿勢と、問題の本質から目をそらすばかりの体質が浮き彫りになったと言わざるを得ません。

みのわ信矢がこのように判断する理由を、以下に細かく記載します。
長いレポートになりましたが、ぜひお読みください。


平成23年におこった「大津市中学生自殺事件」。
明らかにひどいいじめが続いていたにも関わらず、それを放置した学校と、その実態調査をしっかり行わなかったばかりかその結果を隠ぺいした教育委員会に対して、司法が厳しい判断を下しました。
この不幸な一件を機に、社会はいじめ防止に真剣に取り組む必要性に迫られました。
H25年には、いじめに関する一般法ともいえる「いじめ防止対策推進法」が施行され、その中で国は、地方自治体に対していくつかの義務を課し、また、努力義務も提示しています。

この度の、松戸市からのいじめに関する2つの委員会の設置条例案も、この法律にもとづいて、いじめの防止への取り組みとして提案されたものです。
その2つの委員会とは、以下のものです。

(1)松戸市いじめ防止対策委員会
(2)松戸市いじめ調査委員会

似たような名前で、なにがどう違うの?と思われるでしょう。
簡単にいえば、(1)のいじめ防止対策委員会は、いじめが発生した現場に近いところで、1次的に調査をする委員会で、(2)の松戸市いじめ調査委員会は、(1)の委員会で調査されたもを、教育委員会などの現場に近いところではなく市当局として再調査するための機関である、ということです。そして、2重構造をもって、いじめを見逃さず確実な対処をしていこうという考えだといっていいでしょう。
その内容を、作成したフローにもとづいて説明します。

いじめ_フローチャート


いじめ(いじめの定義はリンクを参照ください)が起こった場合、まず、それが次の定義に照らし合わせて重大事態かどうかを判断し、重大事態であった場合には調査することとなっています(いじめ防止対策推進法(以下、いじめ防止法)第28条1項1号、2号)。

いじめ防止対策推進法第28条
1項
1号 いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。
2号 いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。


そして、上記2項目に該当する重大事態を調査するための機関として、松戸市は、いじめ防止法第14条3項(下記参照)を参考にして「松戸市いじめ防止対策委員会」を設置し、ここで調査ができるようにするといいます。
いじめ防止対策推進法第14条
3項 前二項の規定を踏まえ、教育委員会といじめ問題対策連絡協議会との円滑な連携の下に、地方いじめ防止基本方針に基づく地域におけるいじめの防止等のための対策を実効的に行うようにするため必要があるときは、教育委員会に附属機関として必要な組織を置くことができるものとする。


ここで注意したいのは、重大事態を調査する機関は必ずしもここでなくてもよく、各学校で実施可能な「学校いじめ防止対策委員会」での調査も可能だ、という点です。

この段階で、僕はすでに3つの疑問を持ちます。
1.いじめと思われる状況を、誰が「重大事態」だと判断するのか。
2.その「重大事態」の1次調査は、「学校いじめ防止対策委員会」と「松戸市いじめ防止対策委員会」のどちらで調査をするのかを、誰が決めるのか。
3.そもそも「重大事態」の定義が抽象的かつ曖昧で、判定基準としてはふさわしくないのではないか。

この疑問について考察する前に、話を先に進めます。

「学校いじめ防止対策委員会」か「松戸市いじめ防止対策委員会」のいずれかで調査されたその結果は、法的義務として、地方公共団体の設置する学校(つまり、校長ととらえていいでしょう)から、教育委員会を通じて自治体の長に報告しなければなりません(いじめ防止対策法第30条1項)
地方公共団体が設置する学校は、第二十八条第一項各号に掲げる場合には、当該地方公共団体の教育委員会を通じて、重大事態が発生した旨を、当該地方公共団体の長に報告しなければならない。

次に、その義務的になされた報告にたいしては、地方公共団体の長(市長)は、付属機関を設けて、再調査をすることができる旨が法で規定されていますが(いじめ防止対策推進法第30条2項)、あくまでも義務ではなく、再調査が可能であるという条文です。
2項 前項の規定による報告を受けた地方公共団体の長は、当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、第二十八条第一項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。

そして、市長が再調査を実施した場合には、その結果を、これは法的義務として、議会に報告しなければならないと定めています(いじめ防止対策推進法第30条3項)
3項 地方公共団体の長は、前項の規定による調査を行ったときは、その結果を議会に報告しなければならない。

これらの規定に対応するため、市としての再調査機関として設置しようと提案されたのが「松戸市いじめ調査委員会」。
いわば教育現場サイドの1次調査に対して、市当局としてその実態を確認するための再調査機関です。

先ほどの3点の疑問に続き、加えて以下の点についても疑問を抱きます。
4.「学校もしくは松戸市 いじめ防止対策委員会」の調査報告を受けた市長は、なにをもって、「松戸市いじめ調査委員会」に再調査をかけるかどうかを判断するのか。

以上が、この度の松戸市議会に提案された2委員会設置案とその意味、そしてそれに対するみのわ信矢の疑問です。
具体的な疑問は既述の4点なのですが、僕が本2委員会設置条例案を読み込んで感じることとしては、「教育委員会内に設置する“松戸市いじめ防止対策委員会”には、余計なことをしてほしくない!」、教育委員会はでしゃばらないでほしい、ということです。
前の説明に戻りますが、重大ないじめ(重大事態)を1次的に調査するのは、学校にあるいじめ防止委員会か、教育委員会にあるいじめ防止委員会です。その時に、学校に委員会があるのだから、まずは学校に調査をさせるべきだと僕は考えます。そして、そこで調査をしたならば、教委をつうじて市長に報告することは学校の義務なのですから、教委は、それに対して機械的・事務的に報告を市長に届ける事務をすればいいのです。
なのに、わざわざ教育委員会に設置したいじめ防止対策委員会で調査しようなどというのは、何かまた、教育委員会が情報を操作するためだとか、あるいは実態をかき回し事の本質をうやむやにすることを狙っているのではないかと、つい疑ってしまいそうになるのです。

このような思いを抱きつつ、H27 年3月11日(水)10:00から開催された松戸市議会 教育環境常任委員会での「松戸市いじめ防止対策委員会設置条例案」にて審議にあたりました。
その主な質疑内容の概要を、一部ですが、以下に記載します。

「重大事態」とする基準があいまい
みのわ「まず、いじめの状況が「重大事態」かどうかの基準を、いじめ防止法の基準をそのまま適用しているが、あまりにも曖昧で抽象的すぎるのではないか」
教委「重大事態かどうかを判断するのは、一つ一つのケースを慎重に見なければならないので、より具体化せよとの要望への対応は困難だ」
みのわ「しかしそれでは、調査をされなかった事案について後に重大性があったと判明し、調査しなかった理由を求めた時に(つまり、もみ消されたりなどした場合に)、学校に“重大な事態だとは思わなかった”と言われてしまえばそれまでだ。それに対する罰則もなく、それでは機構をつくっても、これまでと一緒である」
教委「そうならないように、丁寧に判断し対処していきたい」

学校現場より教育委員会がイニシアチブをとることへの疑問
みのわ「では、重大事態だと認定されたとき、学校の「いじめ防止委員会」と、教委にある「松戸市いじめ防止委員会」のどちらで調査するかは、誰が決めるのか」
教委「基本的には教育委員会、つまり教育長だと考えている」
みのわ「いじめが起こる現場の多くは学校で、その学校に委員会がすでにある。ならば、そこで調査することを学校長が決定することが極めて自然だ。それなのに、なぜ一旦、現場から離して教育長の判断とするのか。その意味や必要性が理解できない」
教委「客観的に、的確に判断するにはそれがいいと考えている」
みのわ「現場から遠く離れた教育長に、その事態が重大であったかどうかの一次的な判断をさせることを原則的とすることが、適切だとは考えにくい。教育委員会という、鎧(よろい)の厚いところに問題が閉じ込められてしまう不安を覚える」

いじめを受けた当事者やそれを目撃し止めようとする人とつながろうとしない「いじめ防止対策委員会」
みのわ「ところで、いじめ問題への対応をフローとして整理したときに、教育委員会が設置するいじめ防止対策委員会は、いじめを受けた側やそれを目撃した人からの直接の相談や調査依頼を受け付けていないように見える。しかし、これまで、見て見ぬふりなどの排他性が学校現場や教育委員会にあることが問題視されてきた流れの中で、直接の調査依頼などを積極的に受けていくべきだと考えるが、どうか」
教委「条例の位置づけから、あくまでも教育委員会、つまり教育長の設定する事項を調査する場として設置するので、当事者などからの直接の要請などは受けられない」
みのわ「それでは、いじめへの対処をしてもらえない、対応してくれないと不安や不満を持った場合、どうしたらいいか」
教委「教育委員会、松戸市で言えばいじめ防止対策委員会を所管する「指導課」に相談をしてもらいたい」
みのわ「いじめが重大がどうかの判断についてと同様であるが、それではこれまでのあり方と変わらない。これまでも、校長や教育委員会に相談しても不安が解消されなかったという点を踏まえての国の「いじめ防止対策推進法」であり、それを踏まえての市の「いじめ防止対策委員会」や「いじめ調査委員会」の設置案であるのに、形ばかりつくって、本質的な体質改善につながる構造になっていない」
教委「安心してもらえるよう、これまで以上に意識をもって、市民に寄り添う姿勢で丁寧に対応していきたい」


以上、ほんの一部ですが、教育環境常任委員会での、みのわ信矢と教育委員会との質疑応答から抜粋しました。
要点をまとめます。

いくら委員会を新たにつくって、市長への報告、再調査、そして議会(市民)への報告というプロセスを整備しても、入り口を分かりやすく(基準を明確にする、そして重大事態としなかった場合の理由の開示、など)つくらなければ、これまでと同様に、ことなかれや隠ぺいという同じ体質で対処されてしまう不安があります。
この、「教育委員会への不安」をどう解消していくかが求められているはずなのに、その点についての機能は盛り込まれていません。

そして、いじめを重大事態として取り扱う基準を明確にすることは、いじめられた側にとってはもちろん、ひいては、学校現場を救うことにもつながると僕は考えています。
この基準があいまいだから、校長は、教育委員会は、できるだけ隠そうとしてしまう。基準に関するガイドラインを明確にすることで、「こういう状態になってしまったんだから、次に○○○という対応をしなければならず、それは義務的なことなのだ」といういじめへの対処方を確立し、それをもっていじめの実態に逃げることなく対処していけるようにするべきだと思います。
「いじめか否か、それが重大が否か、その基準づくりは難しい」、そう教育委員会も市長部局も言います。確かにそうだと思います。ただ本質的には、委員会の新設などの形式の整備に合わせて、それを運用するためのガイドラインの明確化や、いじめの状態を客観的に抽出するための技術を進歩させることこそが、いま求められていることであり、重要な取り組みであるはずなのです。

そして、大津事件を経て求められている新たな環境整備に取り組むときに、相も変わらず、いじめを受けた側と直接向き合おうとしない松戸市教育委員会の姿勢に、僕は残念ながら、いじめ撲滅に対する真剣さや本気度をくみ取ることができません。

いじめに対する法整備が進み、それを受けての松戸市の対策。いまが大きな分岐点であり、対策の向上や発展にとってチャンスの時だと言えます。
そういう今にあっての松戸市の取り組みを、みなさんにもぜひ考察していただきたいと思います。
そして、さまざまな立場から、いじめへの対応を考察し、最善の姿を模索していかなければならないと感じています。





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[ 2015/03/14 11:54 ] 松戸市政 | TB(0) | CM(-)
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プロフィール

みのわ信矢

Author:みのわ信矢
“まつど”で生まれ、“まつど”で育った僕。“まつど”がもっともっと元気で優しい街になることを願っています。まちづくり、政治経済、野球/ソフトボールに子ども会、etc・・・。たくさんのことを、たくさんの人たちと一緒に考え、行動することの大切さを感じています。地域活性化を願う全国の方々との交流も、どんどん持っていきたいですね!

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